ガスや電気が使えない場合にどのくらいの期間、生活ができるのでしょうか。
エネルギーの自給自足は、個人の力では困難です。
しかし自分で炭をつくる技術があれば、調理や水の確保の場面で安定して役に立ちます。
竹炭の簡単な作り方をご紹介します。
もくじ
竹炭でできること
- 調理
- 水の煮沸消毒
- 消臭・除湿
ごはんを炊いたり、お湯を沸かせたり、便利に利用できます。
なぜ竹炭なのか
竹炭は材料調達が容易で、誰でも簡単に自作できます。
着火が容易で火力も十分にあります。
竹炭の特徴を、木炭と比べた表をご覧ください。
竹炭 | 木炭 | |
着火 | 火が付きやすい、新聞紙で着火可能 | 火が付きにくい、着火剤の使用を推奨 |
燃焼時間 | 20~30分 | 1~2時間(備長炭などは8時間) |
材料 | 伐採や裁断が容易、繊維が強く腐敗しにくいので、倒れている竹を材料に出来る | 伐採や裁断が困難、倒木は腐敗している場合が多い |
炭を使うメリット
「落ち葉で焚き火にすれば、すぐに火が使えるのでは?」と疑問に思う方もいます。
しかし焚き火は煙が大量に上がり、火力の調節で燃料を続けて燃やす必要があります。
そこで炭火のメリットをご紹介します
炭は無煙燃焼
炭の燃焼は煙がほぼ発生しません。
調理した食べ物や衣類に匂いが付く事もありません、換気ができる場合は屋内でも使用する事ができます。
炭火は炎が上がらない
炭は炎ではなく遠赤外線で加熱します。
よって燃焼時の水分の発生が少なく、遠赤外線の効果で表面はパリッと中はふっくらと焼き上がります。
炎が上がらないので、火の粉による延焼が予防できます
炭火は長時間燃える
竹炭の燃焼時間は20~30分程度ですが、継ぎ足せば継続して使用できます。
料理に合わせて調整できます。
炭作りで準備するもの
実際に竹炭の作り方をご紹介します。
準備物の一覧です。
- 竹
- 煙突用の竹 燃焼防止のため、青竹が推奨です
- ペール缶
- コンクリートブロック×4
- コンクリートレンガ×10程度
- 焼き網40×50サイズ程度
- のこぎり・スコップ・ライター・うちわ・ナタ
炭焼きを始めます
火の取り扱いには十分に注意してください。また私有地・許可を得た場所で行ってください。お住いの自治体の条例などに違反しないようにしてください。また炭焼き中は大量の煙があがります。近隣の方の迷惑にならないようご注意ください。
竹炭用の竹を準備します
茶色に変色した乾いた竹を使いましょう。竹林で倒れている竹でOKです。
炭焼き場を組みます
窯の竹に火を付けます
煙突とペール缶が接触していると、煙突自体が燃えます。青竹または金属で煙突を作るか、煙突とペール缶の間を離して設置してください。
この空気穴は内部の空気が無くなり、燃焼が止まるのを防ぐ役割です。
煙が出なくなるまで放置します
濃い煙が大量に上がり始めたら、燃焼が始まった証です。
1時間半程度で濃い煙から薄い煙に変わります
薄い煙に変化したら、竹の水分が抜けて炭化が出来たサインです。
最後の工程です
煙突を取り外し、全ての空気穴を解放します。
すると窯の中に空気が入り炎が上がります。
この状態で再びうちわで10分程度あおぎ、窯に空気を送り込みます。
未炭化が多いと大量の煙があがりますが、気にせずあおぎます。
長時間空気を送ると、燃え尽きるので注意
これは「ねらし」という作業で、酸素を送り込むことで一気に炭を高温にし、未炭化の部分を少なくします。
鎮火
最後に全体に土を掛け、完全に空気を遮断して鎮火させます。
あとは窯の熱が落ち着くまで放置します。
空気の遮断ができていないと、内部が燃え尽きます。多めに土を掛けて完全に空気を遮断します。
完成取り出し
窯を素手で触れるようになると完成です。
ペール缶をひっくり返して回収します。
未炭化の部分もありますが、次回の燃料として使用できます。
完全に鎮火している事を確認してから回収してください。
まとめ
ガスや電気が止まる事は今の日常では考えられない事態ですが、この先何が起こるか分からない社会情勢です。
いざという時のために、炭を作る技術は役に立つスキルだと確信しています。
燃料の自給自足として、頭の片隅にでも置いて頂ければと思います