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ガスが止まった、災害時に役立つ「竹炭の作り方」

2022年8月3日

ガスや電気が使えない場合にどのくらいの期間、生活ができるのでしょうか。

エネルギーの自給自足は、個人の力では困難です。

しかし自分で炭をつくる技術があれば、調理や水の確保の場面で安定して役に立ちます。

竹炭の簡単な作り方をご紹介します。

竹炭でできること

  • 調理
  • 水の煮沸消毒
  • 消臭・除湿

ごはんを炊いたり、お湯を沸かせたり、便利に利用できます。

なぜ竹炭なのか

竹炭は材料調達が容易で、誰でも簡単に自作できます。

着火が容易で火力も十分にあります。

竹炭の特徴を、木炭と比べた表をご覧ください。

竹炭木炭
着火火が付きやすい、新聞紙で着火可能火が付きにくい、着火剤の使用を推奨
燃焼時間20~30分1~2時間(備長炭などは8時間)
材料伐採や裁断が容易、繊維が強く腐敗しにくいので、倒れている竹を材料に出来る伐採や裁断が困難、倒木は腐敗している場合が多い

炭を使うメリット

「落ち葉で焚き火にすれば、すぐに火が使えるのでは?」と疑問に思う方もいます。

しかし焚き火は煙が大量に上がり、火力の調節で燃料を続けて燃やす必要があります。

そこで炭火のメリットをご紹介します

炭は無煙燃焼

炭の燃焼は煙がほぼ発生しません

調理した食べ物や衣類に匂いが付く事もありません、換気ができる場合は屋内でも使用する事ができます。

炭火は炎が上がらない

炭は炎ではなく遠赤外線で加熱します。

よって燃焼時の水分の発生が少なく、遠赤外線の効果で表面はパリッと中はふっくらと焼き上がります。

炎が上がらないので、火の粉による延焼が予防できます

炭火は長時間燃える

竹炭の燃焼時間は20~30分程度ですが、継ぎ足せば継続して使用できます。

料理に合わせて調整できます。

炭作りで準備するもの

実際に竹炭の作り方をご紹介します。

準備物の一覧です。

  • 煙突用の竹 燃焼防止のため、青竹が推奨です
  • ペール缶
  • コンクリートブロック×4 
  • コンクリートレンガ×10程度
  • 焼き網40×50サイズ程度
  • のこぎり・スコップ・ライター・うちわ・ナタ
煙突用の竹 
中の節を取り除き、空洞にします
ペール缶 1個
炭窯として使用します
コンクリートブロック 4個
コンクリートレンガ  10個程度
焼き網 40×50㎝

 

炭焼きを始めます

火の取り扱いには十分に注意してください。また私有地・許可を得た場所で行ってください。お住いの自治体の条例などに違反しないようにしてください。また炭焼き中は大量の煙があがります。近隣の方の迷惑にならないようご注意ください。

竹炭用の竹を準備します

竹の長さはを32~36㎝にカットします。
ナタがあればスムーズに割れます。
横32~36㎝
縦4~10㎝ 

茶色に変色した乾いた竹を使いましょう。竹林で倒れている竹でOKです。

ペール缶からはみ出ないように詰めていきます。
上から見た画像です。
内部の空気を少なくするため、目一杯に詰めます。

炭焼き場を組みます

コンクリートブロックを設置します.
上部の隙間3か所は空気穴です。
空気穴を閉じました。
レンガで調節します
竹の端材を燃やし灰を作り、火種にします。
延焼防止にレンガで壁を作っています。
炎が落ち着いたら、壁を撤去し灰をならします。
これで炭焼き場は準備完了です。

窯の竹に火を付けます

空気穴を解放して、焼き網を載せます。
ペール缶をひっくり返して設置します。
ペール缶の両端が、ブロックの上に乗るよう調整してください。
後ろから見た画像です。引火するまでしばらくうちわで扇ぎます
数分で竹に引火し、濃い煙が上がって来ました。
後ろの空気穴3か所をレンガで塞ぎます
後部の赤マルの位置に、煙突を立てるために隙間を設けます。
余ったレンガを組み合わせて固定します。

煙突とペール缶が接触していると、煙突自体が燃えます。青竹または金属で煙突を作るか、煙突とペール缶の間を離して設置してください。

全体に土を掛けて空気が入らない様にします
隙間から煙が漏れないよう、しっかり土を掛けます
前も土を掛けて、空気を遮断します。
前面1か所だけ空気穴を作ります。

この空気穴は内部の空気が無くなり、燃焼が止まるのを防ぐ役割です。

煙が出なくなるまで放置します

この画像のような青竹で煙突を作れば、煙突自体の燃焼を防げます

濃い煙が大量に上がり始めたら、燃焼が始まった証です。

1時間半程度で濃い煙から薄い煙に変わります

薄い煙に変化したら、竹の水分が抜けて炭化が出来たサインです。

最後の工程です

煙突を取り外し、全ての空気穴を解放します。

すると窯の中に空気が入り炎が上がります。

この状態で再びうちわで10分程度あおぎ、窯に空気を送り込みます。

未炭化が多いと大量の煙があがりますが、気にせずあおぎます。

長時間空気を送ると、燃え尽きるので注意

これは「ねらし」という作業で、酸素を送り込むことで一気に炭を高温にし、未炭化の部分を少なくします。

鎮火

最後に全体に土を掛け、完全に空気を遮断して鎮火させます。

あとは窯の熱が落ち着くまで放置します。

空気の遮断ができていないと、内部が燃え尽きます。多めに土を掛けて完全に空気を遮断します。

完成取り出し

窯を素手で触れるようになると完成です。

ペール缶をひっくり返して回収します。

未炭化の部分もありますが、次回の燃料として使用できます。

完全に鎮火している事を確認してから回収してください。

まとめ

ガスや電気が止まる事は今の日常では考えられない事態ですが、この先何が起こるか分からない社会情勢です。

いざという時のために、炭を作る技術は役に立つスキルだと確信しています。

燃料の自給自足として、頭の片隅にでも置いて頂ければと思います

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